3月18日に中頓別町の生産者の方を対象に「乳質改善婦人講習会」を行いました。講習会の前半は宗谷農業改良普及センター様が「乳房炎の感染時期及び分娩前の乳汁検査」について説明を行い、後半は弊社が「乳頭・ミルクラインの清浄度の指針とバルク乳中の抗生物質迅速測定キットの紹介」について説明を行いました。
弊社が行ったのは、乳頭やミルクラインの清浄度を確認する為に便利なATPスワブ法の紹介と、乳中の抗生物質を簡単で迅速、かつ高感度に測定可能なミルクドクターβの紹介です。紹介した商品をよりよく理解頂く為、実験を行いながら進めました。
例として当日ATPスワブ法紹介の際行った実験をご説明します。緑茶※を付着させた指を牛の乳頭に見立てて実際の乳頭拭き取りと同じように清拭しATP値を測りました。現在酪農現場でよく使われているペーパータオル、布タオル、ベッセルタオルの3種類のタオルを使用して拭き取り性の比較実験です。ATP値が300RLU以下なら食品工場レベルの清浄度となります。
(※緑茶は「生乳の代わり」として使用しました。タンパク質を含んでおりATP測定器に強く反応するためです。)
その結果が下の表になります。
ATPスワブ法はチューブからスワブを取り出し洗浄度(衛生度)を測りたい部分を拭き取り、専用の機器に入れれば迅速にATP値が表示されます。衛生管理においてとても有効で便利な方法です。
上の表でもう一つわかることは使用したタオルによってATP値が異なる事です。ATP値が一番低かったベッセルタオルで拭き取ると指表面に何もつけていない状態のときよりもATP値が低くなりました。このことから汚れの拭き取り性が高いことがわかります。
ベッセルタオルはスポンジタオルに分類されるタオルです。布タオルのような糸のループがないため、オガクズや泥が付着してもすぐに洗い流すことができます。吸水性にも優れているので搾乳作業だけではなく、日常生活でのお掃除にも使用できます。
初めて使用される方の中には「一般的なタオルと比べて厚いので使い慣れない」という方もいらっしゃいますが、一週間ほど使用を続けることでタオル自体も柔らかくなって手に馴染んできます。当日生産者の方にベッセルタオルを体験して頂く様サンプルを1枚ずつお配りしました。
今回の講習会で生産者の方からたくさんのご質問をいただき、搾乳衛生の意識の高さを実感しました。このような貴重な機会を与えていただき、誠にありがとうございました。
尚、ベッセルタオルに興味をお持ちの方にサンプル(一枚)をご提供可能です。ご希望の方はお問い合わせフォームからご連絡ください。