●感染列島(撮影現場こぼれ話) <その壱>
【2009年1月17日封切 東宝映画『感染列島』の製作にベッセルが携わりました】
<経緯>
東宝映画 (株)東宝映像美術 装飾事務所のスタッフが鳥インフルエンザ題材で実際に発生した宮崎県、茨城県を査察したところ田源石灰工業の「ドロマイトホワイトD」石灰が使われていたことから田源石灰工業に撮影での石灰使用と協力依頼が入った。
撮影では実際に石灰塗布を行うことからスタッフで実施するのは難しいこと、本物の鶏を扱うことから、獣医であるベッセルに撮影のアシスタントの依頼があり、養鶏場のシーンでのドロマイト散布、エキストラの指導、監督助手、装飾指導、出演含め多方面に渡り協力させて頂いた。
<2008/3/08>
千葉県館山特設オープンスタジオセットの下見。
新設した養鶏場を如何にも実際に使用していたかのように古ぼけた塗装をし、一枚一枚羽の貼り付け、真綿で蜘蛛の巣様に見立てた装飾技術は凄いものであり、ましてやそれを実践しているスタッフは大半20代前半の女性達であった。
<2008/3/14>
栃木県:田源石灰工業にて石灰塗布実演を東宝映像美術装飾部スタッフが下見。
絵コンテを確認
<2008/3/22>
現地入り。
この映像美術装飾部の女性スタッフは日の出~夜9:00位までよく働く。
意欲的だ!
<2008/3/23>
監督実写スタッフが下見に来る。
この頃日本では無差別殺傷事件が相次いだ。
鳥インフルエンザで死亡したとされる養鶏は薬殺され、ごみ袋に入れ、埋められる。養鶏・家畜はヒトの食として命を絶たれるのだが、病でそれを達成しないままゴミ袋に入れられるシーンは命そのものがゴミ扱いの様に映写されてしまう。相次ぐ殺傷事件はバーチャルな感覚の中での行為である。家畜を殺処分するヒトは大半が獣医師であり、決してゴミの様な扱いはしていない。
その様な思いから、台本には無いが「一輪の献花・合掌祈るシーンがあってもよいのでは」と、帰り際のバスを止めて監督を説得した。
<2008/3/24>
ドロマイトホワイトD:500袋搬入
20代前半の小柄な女性スタッフがドロマイト石灰(20kg)のトラックからの荷卸しの殆どを行った。凄い!・・・男性顔負け。
朝から豪雨、滝のように流れている。これではドロマイト石灰塗布施工は無理。しかし、天は味方か。P.M1:50スカッと快晴。塗布の準備に入る。あっという間に乾く。屋根、壁、外回り順調に進む。
鶏舎屋根
鶏舎屋根(石灰塗布後)
ドロマイト石灰散布
☆助監督にTEL入る「今、監督から花を買っておくようにとの指示がはいった!!・・・梅原先生!希望叶えられそうです!」 やった!!
私が札幌から来たこと、スタッフの慰労もあって、夜に宴会を開いてもらった。
異例の様だ。たまたま私の53歳の誕生日ということもあり盛り上がった。感謝。
つづきへ ●感染列島(撮影現場こぼれ話) <その弐>